ウィリアム・モリスのデザインとベビー用品について

ウィリアム・モリス（1834年-1896年）は、イギリスの芸術家、デザイナー、社会主義者であり、19世紀の美術運動であるアーツ・アンド・クラフツ運動の先駆者として知られています。


同時期の日本は、明治時代（1868年-1912年）が始まり、西洋の文化や技術を積極的に取り入れ、近代化を進める時期です。

ウィリアム・モリスの作品はその美しさと独特なスタイルで知られています。彼のデザインは、芸術と工芸の融合、自然の美しさへの強い関心、そして社会的な改革への情熱を特徴としています。

ウィリアム・モリスの作品の中には赤ちゃんや子供たちにも適したデザインがあります。当コラムではウィリアム・モリスのデザインの特徴と、なぜそれが赤ちゃんに向いているのかについてお話していきます。

1. ウィリアム・モリスとは

ウィリアム・モリス（William Morris）は、19世紀のイギリスの芸術家、デザイナー、社会主義者です。モリスは、美術、デザイン、文学、社会改革などの分野で広範な活動を行いました。


モリスは、中世の手工業的な美学や自然主義の理念に影響を受け、美しいデザインと機能性を結びつけることを追求しました。織物、壁紙、家具、本の装丁など、さまざまなデザインを手掛けたモリスのデザインは、鮮やかなカラフルなパターンや自然のモチーフが特徴で、モリス独自のスタイルとして広く知られています。

1-1. ウィリアム・モリスは何をした人？

モリスがなぜ今こんなにも人気が有るのかご存知でしょうか？その理由はモリスの社会主義的な面に紐付いています。


ウィリアム・モリスの生きたヴィクトリア期のイギリスでは、産業革命の成果により、工場で生産される安価な工業製品が溢れていました。職人たちはプロレタリアート(無産階級)と呼ばれる労働者となり、手仕事の美しさや伝統的技術が失われかけていました。そんな中でモリスは、職人たちが自らの高い技量を誇りとし、労働することを楽しんでいた中世の芸術と社会のあり方に対して、強い関心と愛着を持つようになります。

モリスは労働者の権利や職人の技術を尊重する社会を追求していき、工業化が進む中で失われつつある職人の技術や芸術的な要素を再評価することを提唱しました。そのため、彼のデザインは手作業で制作され、職人の技術が活かされています。

理想を追い求めたモリスの生涯は社会主義者と呼ばれるようになり、彼の意志を継いだ次世代のイギリス人たちにより、「アーツ・アンド・クラフツ運動」が始まりました。

1-2. ウィリアム・モリスが今人気の理由は？

モリスのデザインはその思想と共に、時代を超え世界中で愛されてきましたが、なぜ現在、モリスはここまで人気が再燃しているいるのでしょうか？これにはいくつかの理由が挙げられるそうです。

まず、モリスの独自で個性的なデザインが、インテリアやファッションなどの分野で注目を浴びています。特に、自然や植物のモチーフが多く使われていることから、心地よく癒されるデザインとして人気があるようです。

また、最近では「SDGs」のように環境への配慮や持続可能な開発目標が重要視されるようになってきました。モリスの手作りのデザインは、環境にやさしく、持続可能な素材や手法が使用されており、その点で現代社会に支持されています。

さらに、モリスのデザインはその独特でクラシックなデザインが、現代の若者にも取り入れやすいデザインとして高い評価を得ています。

2. ウィリアム・モリスのデザインが赤ちゃんに向いている理由

Anlietteではウィリアム・モリスのデザインを赤ちゃん向けのアイテムに取り入れました。私達がモリスのデザインをおくるみスワドルのデザインとして採用したのにはいくつかの理由があります。

2-1. 自然のモチーフと特徴的な色合い

モリスのデザインは、自然の美しさを反映したモチーフや緻密な模様が特徴とされています。これは、以前にAnlietteのデザイナーで元幼稚園教諭のyukiが執筆した当店のブログでもご紹介していますが、赤ちゃんの感性を豊かにするデザインと考えられています。モリスのデザインを取り入れることで、赤ちゃんの視覚や触覚の発達を促しながらも、大人も癒やされるおしゃれな空間を作り出すことができます。 ママがモリスの素敵なデザインに癒やされながらも、赤ちゃんの感性にも働きかけるなんて、とても素敵では有りませんか？

2-2. クラシックなデザインと時代を超えて長く愛される魅力

ウィリアム・モリスのデザインは、クラシックでありながらも時代を超えて愛され続けている魅力があります。そのため、赤ちゃんが成長しても、例えばスワドルでしたら、肌掛けとしても長く使い続けることができます。

また、モリスのデザインは老若男女問わず人気があるため、私達は「お婆ちゃんの小物ポーチ・ママのお洋服・赤ちゃんのスワドルがおんなじモリスのデザインだね」…なんていう姿を想像しながら製作に当たりました。

モリスのデザインが家族の思い出の一部となり、将来の赤ちゃんや家族にも受け継がれると素敵ですね。

まとめ

「社会主義者」「アーツアンドクラフツ運動」等と聞くと、少し難しく感じてしまう方もいるかもしれません。そんな方は、ウィリアム・モリスのデザインは、時代を超えて愛されている「自然のモチーフややさしい色彩、クラシックな魅力が特徴の長く使えるデザイン」と受け取っていただければ良いと思います。

Anlietteでは商品開発の際に、「どういう素材やデザインが赤ちゃんとママ双方に優しいものになるか」を最重視して企画をしています。

ウィリアム・モリスのデザインを取り入れたおくるみが、世代を超えて家族の思い出となり、赤ちゃんの発達を促しながらもママに癒やしの空間を提供する特別なアイテムとなると嬉しいです。